むし歯の原因

むし歯

虫歯は、その原因となるミュータンス菌がつくる酸によって歯の表面のエナメル質が溶けて次第に深く進行していく病気です。そのミュータンス菌は、炭水化物をエネルギー源としています。

生えた直後の歯は最も虫歯になりやすく、その後、時間の経過とともに虫歯になりにくくなるものです。それは、生えたての歯の表面が未成熟なため虫歯になりやすいのですが、徐々に、フッ 素やカルシウムを取り込んで硬くなるからです。

ということは、永久歯が虫歯になるのは小学生から中学生の間であるということになるので、大人になって新たに虫歯は できるものではありません。全くブラッシングをしない人は別ですが、大人になって虫歯が発見されたのは、子供の頃にできた虫歯が徐々に大きくなって見えてきたと考えたほうがよいです。 (奥歯に使う白い詰め物が原因で虫歯ができることがありますが、金属できちんと治療をすれば、そのようなことはありません。詳しくはつめものについて⇒こちら


虫歯になりやすい時期に予防をしておけば、大人になって虫歯で苦労することは避けられます。

しみたり、痛みを感じたらもう手遅れ

検診で、「C1」「C2」というのを聞いたことがあると思います。これは虫歯がどれだけ進行しているか表現しているものです。「C1」は歯の表面が侵されている程度ですが、これがもっとひどくなるとどうなるでしょう?

 その前に、まずは歯の構造をご説明しましょう。

図のように、歯の一番外側にはエナメル質があり、その下に象牙質というものがあります。さらにその下は歯髄という神経と血管がある組織です。
むし歯の進行

「C1」は表面のエナメル質が、「C2」はその下の象牙質までが侵された状態です。

そして、「C3」は、それぞれ神経と血管部分の入っている歯髄まで侵された状態です。「C4」は歯の目に見える部分が全て溶けきってしまった状態です。

「C3」の状態では、死んでしまったり炎症をおこした神経を取り除き消毒をしてつめものをかぶせます。歯髄をきれいに除去するため、残っている歯も大きく除去します。こうなると、健全な歯質は多くはありません。

さらに、「C4」になると、ほとんどの場合歯を完全に抜いてしまうしか方法はありません。
虫歯は基本的には自覚症状がないものです。症状がないうちに治療をしたほうが、全くトラブルがなく安全です。
「C3」のように「凍みる」とか「ズキズキ痛む」といった症状が出てから治療を行うとさまざまなトラブルが起こります。それらの症状がでた場合、歯髄を取り除く必要がでてくるからです。「歯髄を取り除いたら症状はなくなり、今後何があっても痛むことはなくていい のではないか」という患者さんもいますが、歯髄がないということは、その歯は死んだ状態なので、歯髄のある健康な歯にくらべて、脆く、割れやすく、残っている歯質も少ないため、将来、 再治療や最悪の場合、抜歯になってしまう可能性が非常に高いのです。

老化で歯が抜けるのではなく、歯髄を取り除いた歯が、抜歯になるのです。したがって、痛くないからといって虫歯を放置するのはよくないです。歯髄があれば歯は抜かれることはありません(歯周病になっていなければ)

むし歯の治療法

虫歯の治療の原則は、虫歯になっている感染歯質を完全に取り除くことです。取り除いたあと、そのままでは具合が悪いので、人工的な材料(金属やプラスチックなど)で詰めたりかぶせることにより閉鎖します。昔より技術が進歩してきたと言われていますが、それは材料が進歩してきただけで、基本原則はすでに確立されています。

詳しくは、当ホームページでもご説明をしていますので、ご参考になさってください。

つめものについて⇒こちら
前歯のかぶせものについて⇒こちら
奥歯のかぶせものについて⇒こちら

また、やむを得ず歯を抜かなくてはならなくなった場合には、ブリッジや入れ歯を入れたり、インプラントで歯を補う方法があります。当ホームページでは、「入れ歯」についてご説明をしております。

入れ歯について⇒こちら
インプラントについて⇒こちら